
閉鎖空間であるトンネルは、
大きな補修ができないからこそ、日々の維持管理が大切です。

トンネルの損傷については、トンネルを覆う(履工)コンクリートなどの材質劣化によるもの、漏水によって生じるもの、そして、トンネルにかかる外力から起こるものがあります。材質劣化によるコンクリートのはく落などは、通行車両への大きな危害に直結し、漏水は照明施設、内装板など各種設備の腐食や汚損の原因ともなります。さらに、土のゆるみや地すべり、支持力不足などが引き起こす外力による変化はトンネルの管理上、最も大きな問題であり、これを放置した場合、トンネル本体の崩壊という致命的な事態につながります。
閉ざされた空間であるトンネルでは、大規模な補修工事を行うことはきわめて困難で、改築には莫大な費用がかかります。また、迂回ルートがない場合には地域の交通は遮断されることになります。
したがって、日常的な点検によって損傷をより早く発見し、適切に対処することはトンネルの維持管理の最重要課題です。

トンネルの維持管理には、とくに高度なノウハウが求められます。
まず、トンネルはひとつずつ地質条件によって建設時の掘削方法や工法が異なるため、点検にあたっては地質条件、工事記録などを把握することが大切です。また、損傷の種類によっては継続的な観察が必要となります。そのため損傷の有無だけでなく、その位置や形状、寸法などを計測することも重要です。日常点検は徒歩による目視が中心ですが、天井部の損傷などは照明が届かないため、早期発見には路面上に落下したコンクリート片などのチェックが欠かせません。さらにテストハンマーによるたたき点検や触手も重要な要素で、点検の結果、浮きが見られる箇所では、可能な限りたたき落とし、当面の安全を確保するよう努めなければなりません。このような作業は、技術者のスキルによって支えられます。



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